今までアニメ好きキャラで話をする機会が多かったが、
実はそれよりもかなり前から好きなのがディズニーである。
幼少期からディズニーリゾートに通い、毎日のようにディズニー映画を見て過ごしていたので、私の思想・教育の半分はディズニーで構成されていると言っても過言ではない。
今回はそんなディズニー映画の中から、興行収入が70億円を超え、2016年の中ではスターウォーズについで2位の『ズートピア』を紹介したい。
※作品のネタバレを含むため、内容を知りたくない方はご注意ください。
舞台は動物たちが人間のように暮らす「ズートピア」の街。
彼らは二足歩行をし、洋服を着て生活している。
まず最初に面白いなと思ったのが、小さいものはネズミから、大きいものはキリンまでが同じ街で暮らしているということ。
色んなサイズや格好の動物たちが一緒に暮らしているからこそ、彼らが生活しやすいように街の至る所に工夫がしてあるのだ。
人間の世界でも一緒だが、人それぞれ個性があり、得意不得意もある。
それを様々な動物たちが一緒に暮らす街を描くことで、表向きには「みんな違ってみんな良い」というメッセージを見せつつも、ストーリーの展開に合わせて偏見や差別という人間の世界でも共通するテーマを描いているところに、なるほどと唸らされた。
そんな世界の中で、ひときわ魅力的なのは主人公のウサギ”ジュディー”。
彼女は小さく力の弱いウサギでありながらも、将来は「世の中をより良くする」ために警察官になる夢を持っていた。
しかし、警察官になる動物はトラやライオン、サイやゾウなどの力の強い動物ばかりで、ウサギが警察官になるなんてことは「普通じゃあり得ない」世界だった。
そんな中、彼女は「自分がウサギであること」を言い訳にしないで、
自身が掲げた夢を叶えるために厳しい訓練を乗り越え、ウサギで初めての警察官になる。
正直絵に描いたようなド定番の主人公だが、彼女の魅力は逆境や偏見にも負けず、自分の信念を貫く姿勢で、その姿には物語を通して何度も胸を打たれた。
ウサギだから出来ない、のではなく、ウサギだから出来ることをフルに活かして、決して「体が大きく、力が強いこと」だけが警察官に必要なものじゃないことを証明していく。
ここ最近のディズニー映画で私が特に面白いなと感じることは、ストーリーに現実味があるところである。
「願えば空だって飛べるさ!」というディズニーならではの夢の世界ではなく、「出来ないものは出来ない。でも、出来るように工夫するんだ」と言う、ちょっと大人ストーリーの作品が増えてきたと感じている。
今回の『ズートピア』もそうだ。
シンデレラやピーターパンのように、魔法が解決してくれるのではなく、「解決出来るのは自分自身だし、他でもない自分にしか出来ないことがあるんだ」というメッセージを伝えてくれる。
「信じていれば夢は叶う」というディズニー思想で育てられた私には、初めは少し抵抗もあったが、やはり大人になった今、こういった現実味のある話の方が面白みを感じる。
人間界を模した差別や偏見というテーマを描きつつも、それをネガティブに感じさせないのは、動物たちの魅力的なキャラクターが成せる技でもあり、そこにはしっかりと「夢のあるディズニー」の暗黙のルールを感じさせる作品である。
主人公のひたむきすぎる性格に、日常で疲れた心が癒されること請け合いなので、「うまくいかなくて落ち込んでる人」や「元気を貰いたい人」にはぜひ観てもらいたい作品だ。
きっと観終わったあとに、何とも言えない充実感とポンと背中を押してくれるような励ましのメッセージを感じてもらえることは間違いない。
以上、KOTAでした。
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